仁義なき戦いの順番はどう見るの?仁義なき戦いシリーズはこれを見ろ!
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東映の実録やくざ映画「仁義なき戦い」は実話を基にして作られている。
広島ヤクザ戦争の中心人物である、
美能幸三氏が当時のメディアの報道で、
徹底的に悪者として書き立てられた事への復讐心から、
獄中で自身の極道人生を手記に書いた。
この手記を元に作家の飯干晃一が小説化し、
その小説を東映が映画化した作品です。
映画仁義なき戦いは大ヒットした。
そして直ぐに続編が作られていて、
シリーズ化されたのだが、かなりの本数が公開されています。
本数が多いので、初心者の方は見るのに躊躇してしまうかもしれません。
結構大作を見るというのも、気合いがいりますからね。
なので、今回は仁義なき戦いの正しい見方という事で、
どの順番で見るのが正しいのか?という事と、
初心者が物語にすんなり入っていける様に、
仁義なき戦いの基礎的な知識の様な事も解説したいと思います。
仁義なき戦いシリーズの順番と物語の内容
仁義なき戦いとタイトルに付いた作品は全部で11作です。
深作欣二監督作品
原作「仁義なき戦い」
仁義なき戦い
仁義なき戦い 広島死闘編
仁義なき戦い 代理戦争
仁義なき戦い 頂上作戦
仁義なき戦い 完結篇
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番外編・監督深作欣二、主演菅原文太の作品
新仁義なき戦い
※仁義なき戦いの第1作目のリメーク
新仁義なき戦い 組長の首
※北九州のヤクザのお話
新仁義なき戦い 組長最後の日
※九州のお話
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番外編・別監督作品
その後の仁義なき戦い
主演 根津甚八
新・仁義なき戦い
主演 豊川悦治
新・仁義なき戦い/謀殺
主演 高橋克典
これを見て分かる様に、
仁義なき戦いは完結篇で終わっているはずですが、
その後も新仁義なき戦いとして、シリーズは作られています。
一旦、仁義なき戦い完結篇でシリーズは終了したのですが、
人気の作品だったので、
まだ引っ張りたい東映の思惑でその後も作られたと思います。
新仁義なき戦いは、一作目は広島の話ですが、二作目以降からは、
本来の仁義なき戦いの話とは関係がない物語で、
監督が深作欣二で、主人公が菅原文太という事を除いて、
全く関連性はありません。
更に深作欣二以外の別の監督による作品も作られていますが、
本来の仁義なき戦いとは全く関連性はありません。
ただ仁義なき戦いという言葉を、
タイトルに使いたかっただけの様な映画だと思います。
なので、ほんとうに素晴らしいと絶賛されているのは、
第一作の仁義なき戦いから完結篇の5作品です。
この作品が評価された理由として、原作の話が面白い。
実際に渦中にいた組長の話を元に構成されているという事と、
出ている役者の演技や深作欣二の映像が素晴らしいという、
化学反応が起こって素晴らしい作品になったのですが、
柱である物語が、全く今までと関係のない話となると、
見ている方は「ん?」となってしまいます。
なので、新仁義なき戦いシリーズは3作で終わり、
その後に作られた別監督の作品もヒットしませんでした。
なので、仁義なき戦いとは、
初期の第1作から完結篇までの計5作品の事を言うのです。
では、初心者の方が見やすい様に、
仁義なき戦いの第1作から順番に概要を説明します。
仁義なき戦い
簡単なあらすじ
物語は太平洋戦争が終わったばかりの広島県呉市から始まります。
復員兵の広能昌三(ひろのしょうぞう)は、
呉市のヤクザ山守組に在籍する友達の喧嘩の助っ人で、
他所の土地のヤクザを殺害する。
広能はすぐに警察に捕まり、刑務所に送られるが、
その刑務所で、呉きってのワルと言われる、
土居組若頭、若杉弘に出会い、若杉の舎弟となり極道になった。
喧嘩の助っ人をしてくれたお礼に山守組の組長、山守義雄は広能の保釈金を払い、
広能は保釈された、その関係もあり広能は山守組に入った。
しかし、山守組の組長山守義雄はとんでもなくズルイ組長だった。
子分を利用して金を儲け、いいように使い捨てしていた。
また、組の中も勢力争いが絶えず内輪揉めを繰り返していた。
広能は老獪な支配をする山守に翻弄される。
そんな時同じ呉に本拠を置く、土居組と抗争になる、
広能は土居組の組長を暗殺する為のヒットマンにされてしまう。
この作品の見どころ
記念すべき第1作、金子信雄が演じる、山守義雄のキャラクターが最高です。
自分が助かる為なら、子分を平気で切り捨てます。
また、広能をヒットマンにする為に、
広能の手を握って、おいおい泣きます。
こんな親分いるんかいな!と思わずツッコミを入れたくなります。
しかし、第1作の金子信雄の演技は序章でしかありません。
後の作品になる程エスカレートしていきます。
この作品ではその原型が見れるとても貴重な作品なのです。
また、この映画の脚本を務めた、笠原和夫は、
広島で当時の関係者にしっかり取材して脚本を書き上げた為、
リアリティがアップして、
飯干晃一の原作よりも数倍面白い話になっているのもこの映画の特徴。
仁義なき戦い 広島死闘編
簡単なあらすじ
第1作目は広島県呉市が舞台だったが、今回は広島市が舞台、
広島市に博徒系の村岡組と、
テキ屋系の大友組の二大勢力が抗争を繰り返していた。
刑務所を仮出所した山中正治は、
広島市の食堂で大友組の2代目大友勝利と揉め、
ボコボコにされ瀕死の重傷を負う。
大友勝利は狂犬の様な凶暴な男だった。
山中は村岡組に助けられ事から村岡組に加入して、
大友勝利の命を狙う。
また心酔している組長の為に、次々大友組の組員を殺害する山中。
しかし、山中は再び警察に捕まり、刑務所に収監される。
刑務所に入り自由を奪われた山中だったが、ある事が彼の耳に入り、
刑務所を出る事を決意する、彼が取った行動とは・・・
この作品の見どころ
第1作が空前のヒットを飛ばし、急遽撮影が決まった。
しかし、原作が当時連載中でまだ、第1作の話の先を描いていなかった為、
急遽原作では深く描かれる事のなかった、
広島市の岡組対村上組の戦いを映画にした。
主人公北王子欣也と対立する狂犬ヤクザ大友勝利を、
千葉真一が見事に熱演、
この千葉真一の演技を見るだけでこの映画を見る価値はあります。
その演技、とにかくメチャクチャで、凶暴、そして下品、
仁義なき戦いシリーズの中で私が一番好きな作品です。
主役の菅原文太は少しだけしか出てきません。
広島死闘篇についてはこちらの記事で詳しく解説もしています。
仁義なき戦い 代理戦争
簡単なあらすじ
菅原文太演じる広能昌三は第1作で縁を切った山守組に復帰した。
広島市で最大の暴力団村岡組の組長が引退する事になった。
後目を誰にするかが問題となった、候補が二人いた。
広能が所属する山守組の組長山守義雄、
そして、打本組の組長、打本昇だった。
打本昇は広能昌三、村岡組の若手実力者、松永、武田、江田を舎弟にする盃を交わして、
若手世代のトップにたった。また、引退する村岡組長の舎弟でもあった。
打本は更に箔を付ける為に、
神戸の広域暴力団明石組の舎弟相原と兄弟分の盃を交わす。
しかし、この事が村岡組長の耳に入り、
「広島を神戸に売り渡す事になる」と打本の行動に激怒、
後目は山守義雄に決まった。
広島最大の組織の長となった、山守はご機嫌だった。
また、打本に自分の若い衆になれとバカにした。
納得のいかない打本は明石組組長の舎弟となり、
明石組の支部の看板を広島にあげ、山守組と対決の姿勢を見せた。
この作品の見どころ
この作品から登場する打本昇を演じる加藤武の演技に注目です。
金子信雄演じる山守義雄に勝るとも劣らないダメ親分さ、
卑怯さです。
このダメ親分の為に、若者たちは殺し合いをします。
また、その他の注目キャラクターとして、
明石組の若手組員として登場する岩井信一。
演じたのは梅宮辰夫です、このキャラクターは眉毛がありません。
実際のモデルの人も眉毛が無かったので、
そうしたと後日梅宮辰夫は語っています。
とにかく顔が怖い。また、広島を取る為に、
今作から神戸の広域組織、明石組と神和会が登場します。
山守組には神和会、打本組には明石組が応援するのですが、
実力者の主人公の広能は山守組に所属しているが、
明石組の岩井とは兄弟分で仲がいい。
その為打本との対決が前に進まない事から、
山守は、もう一人の幹部武田を若頭にして、
広能と対決させる。
武田を演じた小林旭も渋い演技を見せてくれます。
仁義なき戦い 頂上作戦
簡単なあらすじ
山守組を出た広能は打本昇と手を組み、
山守義雄との対決の姿勢を示した。
広能打本連合軍対、山守組という対決になる。
しかし、この打本昇という男、とにかく根性がなく卑怯、
喧嘩の当事者はとにかく、広能だからと何かにつけ、動かない。
そんな中広能の子分が山守組の組員に殺され、
打本の組の組員も殺された。
広能は山守組に殴り込みをかける事を決意するが、
盟友の明石組の岩井から、
明石組の組員1000人の助っ人を出す申し出を受ける。
殺された広能組の組員の本葬に乗じて、
明石組1000人と広能組連合軍で、山守組に攻撃をかけるという作戦を立てた。
しかし、この裏で、打本昇が山守組に捕まって、
命欲しさからこの作戦を喋ってしまう。
山守組は事態を回避する為に、
警察に広能が過去起こした暴力事件を通報する。
広能は警察に捕まってしまった。
この作品の見どころ
本来はこの作品で最終回のはずでした。
その為映画を最後まで見ていたら、
ああ、これで終わりなんだなという感じがします。
まさかもう一作作られるとは、それ程見事な終わり方です。
頂上作戦という事で、警察は末端の組員ではなく、
抗争の中心人物である親分クラスをどんどん逮捕していきます。
若い組員達は組の為に血を流し、最悪殺されます。
またその若い組員達の親分も殺されはしないが、
重い刑に服します。
更に上の親分たちは、
執行猶予や短い刑で済むという不条理なヤクザ社会が描かれています。
最後のシーンで、広能が抗争相手の武田(小林旭)と警察で、
手錠をされて会うシーンああります。
窓の隙間から雪が風と一緒にピューピュー入って来ます。
二人は裸足で寒そうです。
これから二人は刑務所に送られます。
何人も死んだ抗争事件の当事者なのだから当たり前ですが、
一方の親分だった山守義雄は病院に入院し病室で酒を飲んで超余裕です。
その後逮捕されますが、短い刑で出所できます。
主役達は皆警察に捕まり、一旦抗争に幕を閉じます。
脚本の笠原和夫はこれで最後と思って作品を作った為、
実際の広島の当事者に会って聞いたエピソードをたくさん散りばめています。
仁義なき戦い 完結篇
簡単なあらすじ
前回の抗争で逮捕された山守組の武田明は未決で保釈された。
武田は広島のヤクザの大同団結を呼びかけ、
今まで敵だったヤクザ達も吸収して、
政治結社「天政会」を立ち上げ会長になった。
しかし、政治結社としたのは、
警察や世間の目をから逃れる事を目的としていて、
暴力団的な物を極力排除しようという武田の考えだった。
しかし、元々は凶暴な暴力団の集まり、
中には武田の考え方に反発する物もいる。
天政会は内部抗争の危険性をはらんでいた。
そんな天政会の不穏な動きを察知した警察は、
会長の武田の逮捕に踏み切る。
武田は自分が社会にいない間に地位を奪われない様に、
自分の子分である若手の松村保を、次期会長候補にすえる為に理事長にする。
天政会の副会長はかつて広島で暴れまわった、
大友勝利、大友が黙っているはずがなく、対立は益々深まっていく。
この作品の見どころ
前作頂上作戦で完結するはずだったこの仁義なき戦いだったが、
そんなドル箱作品を終わらせるはずが無かった。
東映は現場に続編の作成を指示した。
しかし、この映画のキーマンである。
笠原和夫はこれを拒否した。
この物語は笠原の中では完結している為、
真っ向から拒否した。
その為笠原は、脚本家高田宏治に執筆を依頼しこの完結篇は作られた。
前回の終わり方からのこの完結編を見ると、
前回同様、山守義雄や広能昌三は登場するが、
大友勝利は千葉真一から宍戸錠に変わっているし、
打本会の早川も室田日出男から織本順吉に変わっているので、違和感がある。
ただし、この作品で大友勝利を演じた宍戸錠の演技は私は好きです。
千葉真一には遠く及びませんが、
嫌いではありません。
もう一人の昔気質のヤクザを演じた松方弘樹と飲み屋で、
言い合いをした時の名台詞「牛のクソにも段々があるでぇ」と、
「ワシは虫歯抜くんも、命取るんも同じことでぇ」も、
非常に迫力があって良かったと思います。
ただ、もし、この作品を笠原和夫が書いていて、
更に大友勝利を千葉真一が演じていたら、
凄い作品になっていたと思うと残念でなりません。
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