仁義なき戦い広島死闘篇のあらすじと壮絶なラストを解説<名作>
はい、今日はこちら。
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仁義なき戦い広島死闘篇です。
監督 深作欣二
脚本 笠原和夫
主演 菅原文太
北王子欣也 千葉真一
日本映画史上燦然と輝く名作です。
仁義なき戦いシリーズは、映画好きの人に評価が高いですが、
この広島死闘篇が最も名作だと言う人も多いのです。
まだ、この映画を見た事がない人に、面白そう!
これは見たい!
と思っていただける様にあらすじを解説したいと思います。
というか、かなりの部分書いていますので、
ネタバレはあります。
そして、この映画の有名なラストシーンを解説します。
まだ、見ていない人は、
当然ラストを知らずに見た方が面白いに決まっているので、
ラストの解説を読む前に、本編を見る様にしてくださいね。
仁義なき戦い広島死闘篇あらすじとラスト
広島死闘篇あらすじ
まずこの広島死闘篇の予告を見ていただきましょう。
この映画は主演が菅原文太ですが、菅原文太は余り出てきません(笑)
この映画の本当の主役は北王子欣也と千葉真一です。
この映画は本編の仁義なき戦いの外伝的な作品になります。
本編は広島の呉市で起こった抗争を描いているんですが、
この映画は広島の中心地、広島市で起こった抗争の話なのです。
なので、菅原文太はちょっとだけ出てくるのですが、
広島市の抗争事件と関係ないので、殆ど出番がありません。
山中正治と大友勝利
戦後広島に2組の暴力団組織が広島の闇市を仕切っていた。
村岡常夫を頂点とする村岡組と、大友長次を頂点とする大友連合会。
大友連合会会長、大友長次
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村岡組組長 村岡常夫
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村岡組若頭松永弘
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2人の親分は盃を交わし、兄弟分になり、共存共栄していました。
そんな村岡組と大友組の縄張りのマーケットに1人の男が現れます。
戦後すぐ、傷害事件を起こし服役していて、
出所したばかりの山中正治です。
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山中は特攻隊の生き残りで、戦後広島に帰ってきてすぐ博打場でイカサマがバレ痛めつけられた事を逆恨みし、刃物で切りつける事件を起こしていたのだ。
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刑務所から出たばかりの山中は村岡常雄の姪で未亡人の靖子が切り盛りする食堂で無銭飲食をし、揉めているところに、大友親分の息子で愚連隊の頭目、
大友勝利がいた事から喧嘩になる。
千葉真一が演じる大友勝利
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「ワシら大友連合会のモンじゃ、相手になってやるけん表へ出い」
勝利達は山中をボコボコにリンチした。
必死に止める靖子だったが、やられてそのまま黙っている山中ではない。
「殺さんかい!おおっ!おどれらの顔はよー覚えちょるけん!ワシを生かしちょったら、後で1匹ずつぶち殺しちゃるんどー!」
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この言葉を聞いて、更に怒り狂う勝利。
山中が勝利に殺されると思ったその時、
勝利の父親の大友長次と、村岡組の若い者が駆けつけた。
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勝利達は引き上げ、瀕死の状態の山中の命は助かった。
ボロボロになった山中を靖子は自分の家に連れて帰って看病した。
靖子の夫は戦争で亡くなった軍人だった。
夫との間には1人の小さな女の子がいた。
山中はそんな靖子の家に居候していた。
怪我人とは言え、戦争で死んだ人は神様という考え方がその当時はあり、
そんな人の未亡人の家に若い男を置いておくわけにはいかず、
村岡組の者達は山中を引き取った。
山中、村岡組の組員になる
傷が癒えた山中は村岡組で極道になりたいと申し出る。
あの日、山中をボコボコにした勝利達を全員殺してやりたいと村岡に言う。
村岡は、そんな勝手な喧嘩は許さないが、その心意気は良しという事で、
喧嘩で壊された山中の時計の代わりに、
自分がはめていた高級な腕時計を山中に渡した。
「えぇ男になれよ」
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山中は初めて受けた他人からの優しさに感動して、
村岡の為に働こうと思ったのです。
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問題ばかり起こす山中も、本当は普通の若者なのですね。
すっかり村岡組の一員となった山中だったが、
やがて靖子と再会し、山中は靖子と恋仲になってしまいます。
しかし、これを聞いた村岡が激怒した。
靖子の家に山中が上がり込んでいる事を知った村岡が怒り狂い、
山中を殺すと言って日本刀を持ち出して探しているというのです。
山中は松永の手引きで旅に出た。
山中旅で実績を作る
旅とは、事件などのほとぼりが冷めるまで、
他府県に身体をかわす事です。
他の県にある村岡組の友好団体に身を寄せる事になるのです。
迎え入れる組は、山中の面倒を見ます。
食事や寝る場所を提供し、小遣いも渡さないといけません。
しかし、世話になる者も、その組に喧嘩などがあった場合、
助っ人として戦わなければいけないのです。
これを一宿一飯の恩義と言い、ヤクザの世界の決まりごとです。
山中は世話になった組で見事な働きをして、
その事が業界内で噂になりました。
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※山中は殺人を請け負い見事に仕留めた。
やがて山中は広島へ帰参が許され、
正式に村岡の盃を貰い、村岡組の一員となったのです。
村岡組VS大友組
村岡組は競輪場の警備を担当して、とても潤っていた。
それに不満を持ったのが大友勝利です。
村岡組は博徒で、博打が本業。
大友連合会は的屋が本業。
的屋とは縁日や夜店の屋台で商いをする稼業人の事です。
競輪は博打なので、大友連合会とは関係ないという考え方が、
大友長次にあった為、競輪場の利権を村岡組が全て取っていた。
しかし、勝利はそんな父親に反旗をひるがえす。
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「なぁ、おやっさん、神農じゃろうと、博打ちじゃろうとよ、ワシらうまいモン食ってよ、マブイスケ抱く為に生まれて来とるんじゃないの?
それもゼニがなけりゃ何も出来やせんので?ゼニに身体張ろういうんが、どこが悪いの?」
大友長次は勝利の言い分に呆れ果て、
別の組員を大友連合会の2代目に据えた。
しかし、勝利は全く気にしない。
勝利は村岡の舎弟の時守勘一(博徒)を抱き込み、
時守の跡目を継いで博徒大友組を結成し、
村岡組と対決する為に、村岡の命を狙う。
村岡組対大友組の殺し合いが始まったのです。
勝利は村岡組に殴りこみをかけるが、村岡の暗殺には失敗した。
山中幸せの絶頂から地獄へ
その頃、山中は村岡から靖子との交際を認められて、
この世の春を謳歌していた。
あれだけ反対していた、山中と靖子の交際を村岡は認めたのです。
「お互い好きおうてるんじゃったら」
とうい事で、それまで一切会ってなかった靖子に山中を引き合わせたのです。
2人は一緒に暮らすようになります。
山中は人生の絶頂を味わったのです。
しかし、今は組の一大事の時です。
親分の命を狙われて、黙っていられる筈がありません。
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山中は組の為、親分の為、勝利の配下を襲い殺していきます。
3人の配下が村岡組への攻撃の準備をしているという情報が入ります。
山中はそのアジトに行き3人を殺害した。
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しかし、山中はこの直後、警察に捕まってしまいます。
幸せを掴んだと思った山中だったのですが、
刑務所に逆戻りしてしまいます。
またあの刑務所の屈辱の日々が始まるのです。
しばらくすると、刑務所で村岡の舎弟の高梨と一緒になります。
その時に、高梨から思いも寄らない話を聞く事になります。
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娑婆に出る方法
親分の村岡は靖子の再婚の話を進めている。
お前に3人殺させたのも、刑務所に送り込んで靖子との仲を裂く為だと。
山中は愕然とします。
山中には前科もあります。
3人殺しているのであれば、もう2度と靖子に会う事も出来ないだろう。
山中は高梨の言葉を確かめる為に、刑務所を出る事を決意します。
厳重な警備の刑務所です、簡単に脱獄などは出来ません。
山中はとんでもない方法で、刑務所を出たのです。
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ラストシーン、壮絶な結末
山中には帰る場所は無かった。
刑務所の中しか。
大勢の命を奪った山中に待っている運命は、
死刑台しかありません。
取り返しの付かない事をしてしまった山中は、
やがて一軒の空き家にたどり着きます。
外では警察が山中を必死で探しています。
ひどく疲れていた山中は、その空き家でしばらく眠ります。
目を覚ました山中は拳銃を取り出します。
そして山中がいつも吹いていた予科練の歌の口笛を吹きます。
その音はかすれ、物悲しく響きます。
やがて山中は拳銃の銃口を口で咥えます。
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山中は引き金を引き、自分の人生を終わらせたのです。
村岡組では山中の葬儀が行われた。
自らケジメをつけて自決した山中は極道の鏡だと皆んなが褒め称える。
警察と撃ち合いをする事なく、1人も死ぬ事はなかった。
良かった、良かったと喜んでいる村岡や、葬儀に出席した有力者達を見て、
そこにいた広能(菅原文太)は何ともやり切れない思いになるのだった。
そして、広島極道の典型と語られる山中の墓に訪れる者は今はいない。
という寂しい終わり方をします。
最後に
この山中は実在の人物です。
本物の人物は口に銃を咥えて自決したのではなく、
こめかみを撃ち抜いて死にました。
脚本では実在の人物を忠実に再現する為に、
こめかみを撃ち抜くとなっていたのですが、
監督の深作欣二が変更したのです。
こめかみを撃ち抜くよりも、この死に方の方が良かったと私は思いました。
インパクトがありますからね。
この映画のエピソードはかなり本当にあった事を描いています。
例えば劇中で山中が人を撃った時に吹く口笛のエピソードは、
当時の共政会2代目の服部武氏に会いに行って、
直接聞いたエピソードです。
また、梶芽衣子が演じた靖子も実在の人物です。
実在の靖子は別の人と再婚したそうです。
この解説では山中が刑務所を出る為に行った事と、
千葉真一が演じる大友勝利との対決は語っていません。
もし、まだこの映画を見ていないのであれば、
全部見て欲しいと思ったからです。
是非一度お試しください。
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